奈良「春日大社」の見どころは朱塗りの回廊に囲まれた御本殿のみならず、縁結びの夫婦大国社、萬葉植物園など神秘的な森に囲まれた境内には見どころが点在しています。この記事では春日大社の見どころを初心者向けにできるだけ簡単にして、アクセス方法や駐車場も含めて解説します。
この記事は筆者の感想と知識が主として成り立つ記事です。
何度も「春日大社」を訪れている筆者が、その感想と知識をまとめたものです。
春日大社様公式の見解とは異なる場合がございます。
シェアする
▶概要:「春日大社」は奈良公園エリアの一角をなす神社です。
▶指定/登録
・ユネスコ世界文化遺産「古都奈良の文化財」
・史跡「春日大社境内」
・国宝、重要文化財 複数
▶有料の場所は主要施設に限られ、境内の入口は四方各所にあり自由に散策ができます。
▶隣接する奈良公園や奈良公園エリアにある東大寺、興福寺などと一体的な観光が可能です。
▶見どころが複数あり一部共通券の販売がありますが、目的や滞在時間によって境内の訪問場所を選ぶこともポイントです。
▶現在も信仰がある宗教施設です。
観光レジャー施設ではありませんので参拝マナーを守りご参拝ください。
▶貴重な文化遺産の宝庫です。
▶境内に「奈良の鹿」が生息しています。
▶ペットの参入、ドローンの飛行、喫煙は禁止されています。
※地図左上四角形クリックで一覧表示
広大な神様の森に囲まれた春日大社の境内には、そのあちらこちらに注目したいスポットがあります。特に御本社を中心とした周辺には若宮神社、夫婦大国社、国宝殿、萬葉植物園の主要施設が集まっています。
【ここに注目!】
▶御本社
ご本殿周辺の回廊など
【さらに注目!】
▶若宮神社
▶国宝殿
▶萬葉植物園
▶飛火野
ここでは、一之鳥居~二之鳥居までの参道沿いのスポットを紹介します
▶一之鳥居
▶飛火野
▶萬葉植物園
▶鹿苑
平城京の時代から道路であった「三条通り」をJR奈良駅からまっすぐ歩き、興福寺を横に見て正面に春日大社の入口である「一之鳥居」が姿を見せます。
鳥居をくぐると両脇を木々に囲まれた参道をまっすぐ歩いてゆきます。基本的には未舗装で、ところどころに石が飛び出している部分もありますので歩きやすい靴でのお出かけが理想です。
ところどころに「奈良の鹿」も歩いている事もあり、「奈良の神社」らしい雰囲気となります。
途中、バスが通る通りを渡ります。「春日大社・東大寺大仏殿」バス停もしくは「春日大社表参道」バス停を利用する場合は、ここから参拝がスタートします。
参道の左右には「飛火野」「萬葉植物園」「鹿苑」の各施設があり、御本殿を参拝する前後に訪れることが良いでしょう。
萬葉植物園の入り口を過ぎたあたりから参道の左右に石灯籠が並びます。これを含め境内には2000基の石灯篭があると言われています。
参道の途中、バス通りを渡った右側に広がる大きな広場は「飛火野」と呼ばれる場所です。春日の神様のお供をした八代尊が灯りのために吐いた火が飛び回ったという神話があります。
芝生が生えた大きな広場となっており、ところどころに木が生えている空間となります。「奈良のシカ」も生息しており「奈良らしい空間」の一つです。
舗装されていないほか、「ぬかるみ」や鹿の糞もあるためそれに応じた靴でお出かけされることをお勧めします。
途中に水路があり渡るポイントがいくつかあります。奥に行くほど傾斜が強くなり起伏のある芝生の広場となりますが、遊歩道などの整備はなく地形がそのまま解放されているだけのため足元には注意が必要です。
傾斜を下った場所から先は立ち入り禁止となっており、奥に行っても通り抜けできませんので参道に引き換えす必要があります。
<万葉集の植物と出会う標本園。>
萬葉植物園は、参道の途中にある万葉集に登場する植物を育てる春日大社境内にある植物園です。春日大社のシンボルである藤の他、様々な植物が季節によって咲く標本園です。
春日大社の公式サイトにて「園内MAP」や「花ごよみ」が公開されていますので参考になさってください。
◎公開情報:有料公開。
一般財団法人「奈良の鹿愛護会」が運営し、県庁組織である奈良公園事務所も整備に関わる「鹿苑」。病気や怪我をした鹿や、奈良公園を離れ田畑に進入する傾向ができてしまった鹿、妊娠中、出産直後の鹿を保護しています。
伝統行事「鹿の角切」や「子鹿公開」などのイベントもありますが、通常時は展示と共に一部の収容施設が公開されており、鹿と人間の共生について考えさせられる施設となっています。
ここからは「二之鳥居」以降のスポットを紹介します。
▶二之鳥居、祓戸神社
▶御本社
▶若宮神社、夫婦大黒社
▶国宝殿
<ご本殿周辺の施設群はここから>
長い参道を進むと、「二之鳥居」が見えてきます。このあたりから「御本殿」を含む春日大社の中枢部の建物群となります。
春日大社の駐車場や「春日大社本殿」バス停を利用すると、ここから参拝がスタートすることになります。
二の鳥居をくぐった先で手と口を水で清めます。そして、その隣にある祓戸神社を参拝して御本殿へと向かいます。
このあたりから参道の傾斜が大きくなり、階段などを用いて標高を上げていきます。
<朱塗りの回廊に囲まれた、そこは御本社。>
二の鳥居からさらに参道を進み、突き当り一つ手前、左に見える階段を上がると御本社の回廊、「南門」です。
南門をくぐるとすぐ正面にある「幣殿」から御本殿を参拝することとなります。御本殿は中門のさらに先にありますので直接見えることはできません。
【特別参拝について】
幣殿よりその中「特別参拝」(有料)では、より近くで御本殿にお参りすることができる中門前での参拝や、第一殿の神様「武甕槌命」(たけみかづちのみこと)が、鹿嶋神宮から白い鹿に乗って降り立った地である「御笠山」の頂上を遥拝する場所(御蓋山浮雲峰遙拝所)、万燈籠を再現した施設(藤浪之屋)などを巡ることができます。
◎公開情報:御本殿回廊内「幣殿」からの参拝は無料。特別参拝は有料。共に門限あり。
<御本殿から近く。800年続く「おん祭り」で有名な若宮神社と、縁結びの神社。>
御本社を南門から出て、しばらく歩くと見えてくるのが「若宮神社」です。
若宮様は1003年に御本殿で出現され、その付近でお祀りされていましたが、1135年に社殿が完成しました。この若宮神社は国の重要無形民俗文化財に指定されている「春日若宮おん祭」でも知られています。
「おん祭」は800年以上続く伝統行事で、特にお渡り式では1000人の風流行列で、沿道となる奈良の市街地は多くの人手で賑わいます。
若宮神社の隣に「夫婦大国社」があります。縁結びや夫婦円満の神社として知られています。ハート形の絵馬や水占いも人気です。
◎公開情報:公開時間内であれば自由。
<春日大社にある、数々の国宝を収めた博物館。>
春日大社にある国宝を始めとした品々を収める博物館です。宗教的な空間でインスタレーションが施された空間や「おん祭り」で使用される鼉太鼓を見たあとは、期間によっては企画展が開催される展示室へと向かいます。併設のカフェは国宝殿入館料は不要で訪ねることができます。
展示内容は公式サイトにてご確認ください。
◎公開情報:有料公開。
春日大社の境内及びその近隣には61もの末社、摂社があります。その中から、
▶若宮神社周辺の「若宮十五社めぐり」
▶水谷神社周辺の「水谷九社めぐり」
▶龍神に関する場所をお参りする「春日五大龍神めぐり」
については受付を済ませてから巡ると特別な御朱印などがいただけるようになっています。詳しくは春日大社公式サイト内のページをご覧ください。
かつて、春日大社関係者の家があった高畑地区から春日大社へと出勤する際に使用された道で、東から「上の禰宜道」「中の禰宜道」「下の禰宜道」と呼ばれています。現在は「下の禰宜道」が「ささやき小径」として親しまれているほか、奈良公園界隈から高畑方面へ抜ける散策路です。
▶境内散策…無料
▶有料施設
・御本殿特別参拝
・国宝殿
・萬葉植物園
ほか、有料のプログラム参加の場合。
▶境内散策
・日没後の境内の散策は行わないよう神社側から求められています。
・夜間の拝観が可能となる行事、イベントがあります。
▶開館時間がある施設
・参拝料等が必要な施設と、境内の諸施設。
「春日大社」は「奈良公園」と周辺の一体的に観光が可能なエリアを構成する一つです。
【徒歩】
近鉄奈良駅から:約2200m(御本殿まで)
JR奈良駅から:約2800m(御本殿まで)
★JR奈良駅、近鉄奈良駅から各バス停までの行き方は、バス停名をクリックしてください。
施設名 | バス停名 |
御本殿 |
奈良交通:春日大社本殿 ぐるっと:春日大社本殿
※東大寺大仏殿・春日大社前よりご本殿まで徒歩約1km |
若宮神社 | |
感謝・共生の館 | |
国宝殿 | |
二之鳥居、車舎 | |
萬葉植物園 |
奈良交通:奈良春日野国際フォーラム甍前 ぐるっと:奈良春日野国際フォーラム甍前 |
飛火野 |
奈良交通:東大寺大仏殿・春日大社前 ぐるっと:東大寺大仏殿・春日大社前 |
◎バス停の目の前に目的の施設があるわけではありません。下の地図をご参照ください。
※「東大寺大仏殿・春日大社前」は
駅方面→公園方面のみ停車のバス停です。
駅方面にお帰りの際は「春日大社表参道」バス停をご利用ください。
【ご注意】
▶「ぐるっとバス奈良公園ルート」「ぐるっとバス若草山麓ルート」は土日中心の運行です。
▶「高畑町」バス停は奈良公園の最寄りバス停ではありません。
▶図中省略の一部系統は「県庁東」「氷室神社・国立博物館」を通過します。(図中下部にて詳細を記載)混雑時に図中省略の系統に案内される場合があります。
・直営の駐車場が境内にあります。
・繁忙日には満車となるほか、アクセス路は大渋滞となる事があります。
・繁忙期や行事などにより駐車不可を含む特別な運営体制となる場合がありますので、利用の際は事前に公式媒体でご確認される事をお勧めします。